6.主な施設までの距離(学校・銀行・病院・スーパー・百貨店)

 学校やスーパーに関しては、皆さん検討されていることかと思います。小さなお子さんがいらっしゃる場合であれば、通学路に交通量の多い道路あるのかないのか。生活物資を調達するためのスーパーがどの程度の距離にあり、不便がないか。しかし、病院・銀行となると少し優先度が下がる傾向があるように思います。いずれも充実している分には申し分ありませんが、いずれも1ヶ所ずつあるような場合には気をつけて下さい。高熱で緊急を要するような時に限って最寄りの病院が休診日なんてことはよくあることです。そんな時に、次の選択肢がまったくないということでは困ってしまいます。多少距離が離れていても、ご自身の移動手段で行ける範囲内に別の病院があるというのは心強いものです。
 最近では、コンビニエンスストアなどにもATMが設置されており、銀行に関してはほとんど不自由しなくなりました。しかし、ことあるごとに手数料が掛かるような場合には思わぬ出費になりかねません。そんな細かいことは気にしないよ、というのでなければ事前に考えておくほうが良いでしょう。

7.商店街の盛況状況(同業種の数)

 歩いてすぐのところに商店街があったとしても、軒並みシャッターが下りた状態では商店街として意味があるとはいえません。同様に、商店街としては機能している場合でも、同業種がほとんどない状態ではその一軒が閉店してしまえば利便性は格段に落ちてしまいます。スーパー・飲食店だけでなくクリーニング屋さんなど、生活に密着している業種は複数ある方が、競争原理が働いて、結果として良いサービスを受けられることになります。近所にひとつあるだけで助かるような店舗は別にしても、商店街の中身を検討する価値は十分にあるのです。

8.夜間の安全性

 女性や小さなお子さんのいらっしゃるご家庭であれば、当然意識されていることかとは思いますが、この点は女性やお子さんに限って検討が必要な事項ではありません。どんなに体力的に自信のある男性でも、車上荒らしや空き巣被害から身を守るのは至難の業です。ご自身の力だけでは防ぎようのない犯罪から身を守るためにも、治安等も意識した検討が必要なのです。帰宅までの道のりに街灯が少なくて暗い。更に人通りもほとんどない。これらの環境は、犯罪が行われ易い環境でもあることをしっかりと認識した上で、一歩踏み込んだ検討をなさって下さい。

9.建物近郊の用途地域の分布

 将来どのような町に発展するかにより資産価値が変わってきます。また、建築時にはこれによって建てられる建物の範囲が決まってきますので、専門の方の意見を聞くなどして対応してみてください。

10.建物周辺の土地状況

 これまでは建物周辺の現状をメインに検討を進めてきましたが、最後に生活を始めた後の周辺環境がどのように変化していくのかという点についてお話します。たとえば、建物の周辺に空き地や駐車場(特にコインパーキング)が多い場合です。視界を遮る建造物もないので景観もよく、来客時にはコインパーキングも非常に便利です。しかし、あなたが色々な検討をしても尚、魅力を感じる環境ということは、より多くの人が魅力に感じる環境でもあるということなのです。現状は確かに空き地であったり駐車場であったりするかもしれませんが、その土地が他の人の手に渡ったら、その後はどんな建物が建つかわかりません。少なくとも、同じ区域内であれば、ご自身が購入されるマンションと同等規模の建築物は合法に建てられるということです。場合によっては、それ以上の規模の建物が建つこともあります。しかし、隣の土地を所有しているだけのあなたには、それを止める権利はないのです。