基本的な考え方は注文住宅と同様ですが、二世帯住宅の場合にはさらにプラスして検討すべき事項があります。どんな仲の良い家族であっても、一歩間違えれば親子喧嘩や夫婦別れの原因にもなりかねない危険を含んでいるのが「二世帯住宅」なのです。これはなにも昼ドラの世界だけではありません。ライフスタイルの異なる世代の者同士が、ストレスを抱えず快適に暮らすためには、いかに独立性を確保できるかが重要になってきます。

 二世帯住宅を考える時、当社はまず『木造・軽量鉄骨・プレハブ』などの簡易な建物を除外したRC造や重量鉄骨S造を勧めています。そうでないと二世帯住宅のメリットである相互のプライバシーを保ちつつ、身近に居ることでお互いが安心でき、支え合えるという部分の確保が難しくなってしまうからです。相互の生活が気になり始め、不要な干渉を生むことにもなりかねないのです。
また、将来の家族構成の変化にも安心して対応できる建物にするために、RC造や重量鉄骨S造の建物のほうが有利です。しっかりした建物にしておけば、将来において家族構成に変化があった場合でもその部分を貸すこともできます。施設に入られたような場合には貸した部屋の収入から利用料を払うこともできます。わずかなスタートラインの違いが、後に大きな違いとなってきますので、「他人同士が同じ建物に住む」というつもりで共同住宅の基準を取り入れたものにして下さい。