1.各部屋の天井高

 天井高が低いと圧迫感があり、実際の部屋面積よりも狭く感じるというのは実際の感覚としてわかりやすいと思います。しかし、単純に天井高が高ければよいかというと、一概に言い切れないことを忘れてはいけません。確かに、天井高が高ければ、開放感があって広さを感じる効果はあります。しかし、天井高が高ければその分暖房効果は落ちてしまいます。寒さの厳しい地方や緑の多い地域では、あまり高すぎる天井も考えものです。

2.給水・排水・ガス管のその部屋までの経路

 給水・排水・ガス管の経路を知ることにより、メンテナンス・管理がしやすい建物かどうかが分かります。なんらかのトラブルが起こった時、経路が複雑であればその対応が大規模になる場合があります。経路が必要以上に複雑になっているのは、設計者の能力不足も懸念されますので注意が必要です。

3.上記2であげる配管スペースのその世帯における位置

 図面上では「PS」とされている部分です。廊下等の共用部に設置されていることが好ましい部分ですので意識してみて下さい。この「PS」が室内にあると何が問題になるかというと、自分の世帯以外の修理でも室を提供しなければならない事が出てくるからです。 又、室内シャフトの場合、点検扉等が簡単な物では夜、寝静まった時、他世帯の排水音が聞こえるといった煩わしさが生じます。日中は特に気にならない範囲でも、他世帯が宵っ張り世帯だった場合にはかなりのストレスになりますのでご注意ください。

4.換気扇の数と大きさ

 最近では、喫煙者数は減っているようですし、喫煙者がいる世帯でも自宅は禁煙というケースも多いのですが、来客の多いリビングなどでは吸気・換気が必要になります。台所換気だけでは不十分と言わざるをえません。この部分まで対応している建売物件・マンションはあまり多くないのが実情ですが、きちんと空気の流れができる物件のほうが優秀であるといえるでしょう。

5.電灯・コンセント・電話・TVの各室の数と世帯全体の数

 一般的に、テレビ・パソコンの近くでは、四つ口コンセントでは不足が生じます。テレビであればその近くにDVDプレイヤーや外付けのスピーカーなどを設置することが多いですし、パソコンに関してはパソコン本体とモニタ、プリンタやスキャナ等の周辺機器を考えれば最低、四つ口+二口は必要でしょう。 家電量販店に行けば、コンセント分配ケーブルは簡単に入手できますが、たこ足配線による火災などの懸念もありますので、あらかじめ検討したい部分です。
特に台所では、冷蔵庫・レンジ・炊飯器・ポット・トースター・ミキサー・ コーヒーメーカー等使用する数量に2~3個の予備は必要でしょう。 注意したいのは、ただ数だけあれば良いというものではないという点です。遠くから延長ケーブルを張り巡らせなくても対応できる位置に、その電気容量に見合う専用回路が必要なのです。ご自身の今の生活で必要なものが不便なく使えるかどうか、イメージを膨らませて検討してみてください。