新築の頃は入居が確保されていたけれど、年数が経ってくると退去後なかなか次の借り手が見つからない・・・というのはよく聞く話です。現代では借り手が賃貸物件を探す時、不動産会社に足を運ぶよりも先にまずインターネットによる情報収集を行うのが主流です。そして、その情報収集を行うサイトでは検索機能などが充実し、希望の条件を入力すると共に、築年数を何年以内と指定して絞込みを行うことが可能になっています。そのため、年数が経てば経つほど物件の空状況が消費者側に伝わりにくくなり、空室のままの状態が続くという結果になってしまうのです。しかし、中古物件だから入居が決まらないということにはなりません。方法さえ間違えなければ、必ず借り手は見つかるものなのです。
空室の期間が長くなれば、まず一番に考えるのは賃料の値下げであったり、敷金・礼金をなくしたりするのが一般的でしょう。確かに入居者にとって有利な条件になりますので、ひとつの方法ではあります。しかし、ここで気をつけたいのは、賃料が下がれば入居者のレベルも同時に下げてしまう危険があるということです。家賃滞納者が出てしまったり、本来なら借主負担の補修費を家主が負担せざるをえなくなってしまったり。空室にしておくよりはましだと考えれば比較論にはなりますが、無条件に入居させるよりも、きちんとした入居審査ができる立場をキープすることが大家としての課題です。というのも、入居条件を低く設定してとりあえず入居を確保したとしても、その入居者が問題となって、他の部屋の住人が出て行ってしまう場合もあるからです。こうなってしまっては目も当てられません。経過年数や相場に見合った賃料値下げは良いとしても、敷金・礼金なし、ペット可は、安易に選択するべきではないのです。