既にお持ちの土地に共同住宅を建てる場合には、土地に対する制限・地域特性を踏まえた上で、消費者(入居者)のニーズなどさまざまな事項を検討して計画を練らなくてはなりません。当然のことながら、土地に対する制限や地域特性は固定化されていますから、その制限の中で最も適した内容にするために試行錯誤を繰り返すことになります。この「計画」が最も重要で、最大の難関ともいえるのですが、今後の賃貸経営の明暗を分ける部分ですのでおろそかにはできません。単純に自分が建てたいものや、その土地に建てられるものを建設して貸そうという考えでは甘すぎます。きちんとした計画を行うためには、ある程度の時間や労力が必要ですので、心して取り組んでください。ただし、「計画」段階できちんとした判断さえできれば失敗しないという意味で、安定した賃貸経営への近道となるでしょう。
 最後に、土地から探して賃貸経営を始める場合ですが、この場合、中古物件から探す場合や自己所有地を活用する場合よりも更に専門的な知識が要求されます。建物部分だけでなく土地についても調べなければならないからです。条件に合った土地が見つかるまでの時間も掛かりますし、土地・建物についての費用が必要となるため、ハードルが高くなるような印象があるかもしれません。しかし、土地に対する制限や地域性は固定化していませんので、より有利な「計画」を盛り込める土地を手に入れることができるというメリットがあります。
 また、良質な「計画」であれば、ご自身の年収や自己資金はあまり問題とならず、融資はぐっと受けやすくなります。(額面金額だけを見て手が出せないと感じられる方が多いのも実際ですが)。きちんとした裏づけに基づく計画が行えるのであれば、自己所有地を活用する場合同様に、安定した賃貸経営が見込める方法といえるでしょう。